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(平成17年3月の国際建設技術協会測量部会技術委員会新技術専門部会報告から)
1999年9月に地球観測衛星IKONOSが打ち上げられた。この衛星で取得できる画像は、地上解像度1メートルのものである。今までの地球観測衛星の画像とは段違いに鮮明であり、取得できる情報も桁違いに多くなった。
これまではLANDSAT、SPOT、MOSS-1など高解像度というものの10メートル台であった。SPOT衛星が打ち上げられて初めてステレオ画像が得られるようになったことから、3次元計測が可能となり、衛星画像による地形図作成の可能性が高まった。そして実際に、実験作業を通じて縮尺1/100,000等の地形図が作られることを示してきた。
写真測量に関わっている技術者はこのような高解像度の衛星画像が得られるようになったことから、この画像を使ってさらに大きな縮尺の地形図(例えば縮尺1/2,500)を作成しようと試みている。
特に海外、途上国で地形図作成に関わっている者にとって空中写真の撮影は天頼みの作業で、苦労がともなう仕事であった。これが不要になる。それとともに、「ステレオ画像が容易に手に入るようになれば、安価でしかも迅速に地形図が作れるようになる」と言う話が聞こえるようになってきた。本当にそうなのだろうか。色々と意見が出されている。
そこで、測量部会技術委員会は、新技術専門部会を作り、高解像度衛星画像を使って地形図作成の技術が今どのようなところにあるのかを調査することにした。しかし、月1回集まって議論するだけの部会では、実際のデータを使って本格的な研究をすることは、時間と人材に限りがあるため無理である。そこで、現在手に入る資料を集め、現状を理解し、その内容を検討することにした。それをまとめた結果がこの報告書である。
第1章では、空中写真を利用して地形図を作成する現在の手法を述べ、空中写真の縮尺と、作成する地形図の縮尺との関係等を述べている。どんな空中写真であれば地形図作成に使用できるのかについて説明している。
第2章では、現在取得できる衛星画像について議論している。空中写真と比較した時の長所、欠点について。そして、特に、今最大の関心事である大縮尺地形図(縮尺1/5,000、1/2,500等)の作成に使える可能性がある高解像度衛星画像について述べ、作成できる地形図の縮尺を議論した。
第3章では、地形図作成に使われている航空カメラを示すことで、衛星で撮影に使用されているセンサがどんなものであるかを比較して理解できるようにした。
第4章では、最近、利用が広まったデジタル航空カメラについても言及している。デジタル航空カメラにはエリアセンサ型とラインセンサ型があり、それぞれ空中写真と衛星画像のタイプと同様であり、センサの違いによる画像の特徴の理解が得られる。
第5章では、衛星画像を使った地形図作成の作業フローについて述べている。空中写真を使った現在の方法と対にすることで、作業方法が違う工程がどこかを容易にわかるようにした。
第6章では、衛星画像を使って地形図を作る方法が果たして、経済性・迅速性において旧来の空中写真を使った地形図作成に比べ、勝っているのかを議論した。
第7章では、衛星画像を使うことで、地形図の作成が速くなり、それに伴って安くできるという指摘があるが、これは本当か。この章では経済性と迅速性について議論した。
(C) 社団法人国際建設技術協会測量部会技術委員会
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