
社会基盤整備を取り巻く環境は世界的にみても急速に変わりつつあります。日本を含めた先進国では第2次世界大戦後に集中的に整備されたインフラが大量に老朽化し、それに対応して健全性の診断技術や効果的な補修技術等がDXも活用しながら大きく進展しつつあります。また、AIやロボットの本格的な活用が始まり、調査や施工の方法も様々な局面で変わってきています。
一方、開発途上国においては、経済的に発展しつつも都市構造等のインフラ面で課題を抱える国も多い一方で、災害や紛争、そして人材の流出等により、発展が阻害された状態の国もあります。
また、先進国、途上国を問わず、多くの国に共通する問題として、気候変動の影響を受けた災害の激甚化への対応や、地球温暖化ガスの排出量削減の取組の問題等があります。
以上のような状況の下で、国際建設技術協会(国建協)は、日本で培った技術や経験を世界のインフラの課題の解決に結びつけるための調査・研究や人材の交流・育成に一層の役割を果たすべく努めてまいります。また、海外でのインフラ関連の特徴的な取組や制度、あるいはインフラ整備ニーズ等についての情報を、本協会の会員の皆様の取組や関係行政機関の施策に役立てて頂くことを目指して頑張ってまいる所存です。さらに、会員の皆様や関係行政機関が直面している、海外インフラに関係した課題の解決に役立つような取組にも汗をかいて参りたいと考えています。
以上のような取組を進めるためには、国内外の様々な皆様から情報や刺激を頂くことが大変重要です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
一般社団法人国際建設協会
理事長 安田吾郎