第40回「小沢海外功労賞」受賞者

当協会は、第40回「小沢海外功労賞」の受賞者として個人5名を選出した。
「小沢海外功労賞」は、当協会初代会長 故 小沢久太郎氏の醵金をもとに、同氏の国際協力にかけた情熱を永く記念するために昭和55年に創設され、海外での国土開発または建設分野の国際協力に功労のあった個人・法人を表彰するものである。昨年度までに、個人166名、法人52社が表彰されている。
第1回~第39回受賞者(PDF)

第40回「小沢海外功労賞」受賞者

青木 博 氏

(株)パデコ インフラ開発部 理事
1969年に日本道路公団に入社。1985年から3年間、マレーシア道路公団の技術顧問をJICA専門家として務めた。また、業務の傍ら、世界道路協会(PIARC)の道路防災委員会・幹事長として8年に亘り奉職し、道路防災技術の普及に貢献した。
2009年にパデコに入社し、理事として道路プロジェクトの開発と実施を担当する。ジョージアにおいて、道路案件発掘からPre/FS、準備調査と詳細設計を総括として担当し、円借款にまで繋げた。タンザニアでは、全国物流計画(JICA開発調査)の中で道路網策定を担当。モザンビークでは、首都マプト交通混雑解消のための土地利用計画の提案、交通計画の作成など、マプトでの交通マスタープラン(JICA開発調査)を手掛けた。特に近年は、ジョージア、ウクライナ、ルワンダなど、紛争後の混乱の中で案件形成、詳細設計、事業監理を行い、具体的な円借款事業の形成に貢献している。

阿南 正典 氏

大日本土木(株) 海外支店 土木部 専門部長
1982年に大日本土木に入社。1986年から海外業務に携わる。8カ国、14件の海外建設プロジェクトに従事し、通算21年に亘り海外に駐在している。すべての工事において高い品質で工期内に完成し、日本の建設事業への高い評価を実現してきた。
携わった日本国無償援助事業では、電気や水道、車の通る道路も無いような僻地や、コンクリートに必要な水や砕石もない離島、資材の輸送も難しいジャングル地帯などでの工事も多いが、経験と卓越した熱意で困難を乗り越えてきた。現地での技術移転を図り、良い物を残し、日本のプレゼンス力を高め、現地の人々にも日本の納税者にも満足されることを目標とし、地道な努力が国際貢献に繋がると信じて業務にあたっている。現在、タジキスタンでアジアハイウェイの一部となる道路の施工に従事しており、良いものを早く現地に届ける意気込みで工事に向かっている。

折下 定夫 氏

(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル 総合開発事業部 港湾部 プロジェクト部長(参事)
インドネシアのジャカルタ漁港(JFP)は、新しく埋め立てた地に港湾・水産関連施設を建設する事業である。建設後、折下氏の努力もあり、円借款で数回の拡充・リハビリが進められ、同国が世界第2位の水産大国になる原動力となった。
現地のニーズに応じた創意工夫の技術を多く開発している。JFPは円借款であったが、できるだけ外貨を使わず現地の材料と労働力を活用したいという政府の要望を重視し、竹杭・竹マット工法を採用して軟弱地盤対策とした。閉鎖的な漁港内の海水を簡易な方法で浄化するための「潮位差を利用した水質浄化システム」を独自に考案した。
また、ODA広報のために「ジャカルタ漁港物語」を出版、土木学会誌等にも国際協力の経験を投稿しているほか、JFPの現地での見学会を多数実施するなど、国際協力の広報活動を積極的に行っている。

佐伯 登志夫  氏

日本工営(株) コンサルティング事業統括本部 交通運輸事業本部 港湾空港事業部 航空部 顧問
国内の多数の空港建設事業で培った経験・知見を活かし、空港建設技術を海外へ幅広く普及させるとともに、現地政府及び技術者の人材育成に真摯に尽力し続けている。
バンコク国際空港拡張整備事業は、当時としては前例が少ない供用中の旅客ターミナルの大規模全面改修事業で、空港運用を妨げずに安全を担保することが求められたが、綿密な段階施工計画を立案して工期内に完成させた。上海浦東国際空港建設事業では、航空行政の方針策定に係るセミナーを開催し、空港整備事業を通した陸上・水上輸送ネットワーク及び地域経済・観光等の関連開発を考慮した長期整備計画を説明した。加えて、日本の土木技術の叡智を結集して建設した「羽田国際空港D滑走路建設事業」において統括設計技術者を務め、同事業で得られた最先端技術を海外の多くの空港整備事業に活用し、本邦技術の普及に貢献している。

花木 茂夫  氏

三井住友建設 (株)  国際支店 理事
1981年に入社以来40年、土木技術者として多種の工事に携わる。海外業務は2003年から現在に至る約18年間、従事している。
海外で最初に従事したのは「第2メコン国際橋建設工事PK1A、1B」で、この完成により、ベトナムからラオス、タイ、ミャンマーが陸路で繋がる東西経済回廊が開通し、経済、流通の発展に大きく寄与した。本事業は2009年にJAPANプロジェクト国際賞を受賞している。「インドネシア国ジャカルタMRT建設工事CP106」は、非常に厳しい工程の現場であったが、豊富な知識と経験、高い統率力と調整力を発揮して施工を順調に進め、当初の予定通りに開通した。インドネシアの技術者には初めての地下鉄建設事業で未知の工種であったが、研修や講習を繰り返し、OJTによる教育を行った。この事業は、土木学会技術賞、JAPANコンストラクション国際賞を受賞している。